イベントを開催しようとして大きく失敗した話

2021年4月23日に東京都、大阪府、京都府、兵庫県の4都府県を対象に4月25日〜5月11日の期間に緊急事態宣言が発令されることが決まりました。

そして同時に大阪市の施設である靱テニスセンターの緊急事態宣言中の休館が決まりました。

 

今回僕は4月29日に自分が主催するテニスのイベント「ジョイフルテニスイベント」を開催する予定でした。

時間を削って、精神を削って、ときには選手としてするべき選択さえ捨ててまで長い時間をかけて準備してきました。

犠牲が大きかった分どうしても成功させたい、失敗でもせめて最後までやり遂げたいイベントでしたが、

会場である靱テニスセンターが使えなくなり中止にするしかありませんでした。


ジョイフルテニスイベントがどのようにして作られていったのかをお話ししたいと思います。

 

去年の春から新型コロナウイルスが世界中、そして日本中に広がってしまったため国内外のテニスの大会が中止に。テニス選手は活躍(仕事を)する場を失ってしまいました。そしてこの状況をまずいと思った企業の方やテニス関係者、ファンの方々が立ち上がり、無観客やウイルス感染予防が徹底される中で大会やイベントが開催されるようになりました。

 

日本国内で開催された主な大会の例

・BEAT COVID-19 OPEN

・みらいカップ

・+POEWR CUP

・JPTT 盛田正明杯

・橋本政明杯 WOMEN's TEAM Tournament

 

しかし、このように周りから救いの手を差し伸べてもらえるのは日本の上位で活躍する選手(ナチョナルチームとして活動している選手や国際大会でも結果を残している選手)。

去年は全日本テニス選手権も出場できる人数を32人まで減らし、通常であれば予選に出場しているような選手にもチャンスは与えられず。

国内の大会が開催された後もプロテニス選手として活動している選手、選手活動をメインに活動をしているアマチュア選手にとってはまだまだ難しい状況でした。

 

「だったら自分で活躍の場を作ってしまおう」

「国内トップではない選手が活躍できる大型イベントのロールモデルを作ろう」

 

そう思ったのがきっかけでした。

 

 

ちょうど去年の9月末から自分の活動費を集めるためのクラウドファンディングを計画していて、

「クラウドファンディングのリターンにイベントの前売りチケットを出すことで支援金額と支援者数の数字を稼ぐことができるし、クラウドファンディングがイベントの宣伝になるんじゃないのか?」

と考えたので、クラウドファンディングと同時進行でイベントの準備も進めることになりました。


ちなみにクラウドファンディングでは「イベントが北山選手の支援にどう繋がるのかが分からない」という意見もあって、なかなか支援に繋がりませんでした。


今まで2時間程度の個人イベントは何度も開催したことありましたが、1日がかりで開催される大きなイベントの準備は初めての経験やシンプルに作業(すること)の量が多くて最後の最後まで忙しい毎日が続きました。

 

 

最初はイベントの内容をどうするかなかなか決まらなかったり企画書の作り方が分からなかったり、何をどうしていいのか分からないことだらけで、

この日はビジネスマンの日(笑)なんて時間を作って、とにかく人の縁を求めていろんな場所や人を訪ねていきました。

その訪ねた先で紹介を受けてイベント開催に必要なことを簡単に教えてもらったり、企画書の作り方を相談したらお金を払ってお手伝いしてもらうことになったり。

 

そういえば、僕は今まで名刺をもったことがなかったのですが(3年前くらいに選手活動をしている先輩には作った方がいいよーとは言われてましたが)、

靱テニスセンターに企画書を持っていってコートの貸してもらえないかお話をしたとき支配人の方に

「今度名刺持ってきてねー」

と言われたのをきっかけに持つようになりました。

自分でデザイン,印刷した名刺と、外注して作ってもらった企画書↑

今までアルバイトとテニス選手としての活動がほとんどで就職活動を経験していない僕にとってクラウドファンディングやイベント準備をしている期間は、一気に大人の階段を登っているようなそんな時間でした。


ある程度知識やイベントのイメージがまとまったら、あとはひたすら手、足、頭を動かす作業。

練習拠点←→家の移動時間を使って宣伝方法やお金の計算をしたりチラシを作ったり、夜日付が変わってもホームページや動画を編集したり。

ノルマがない分、仕事が与えられているわけではない分自分の意欲を上げるのが難しく、
また1つの作業が終わってもまた次の作業に移って、
ポイントポイントでの達成感がほとんどないので終わりのない作業にだんだん心と体の疲れを溜めていくしかありませんでした。

ホームページもホームページ内の1つ1つの画像も全てが手作り。特に選手の写真をくり抜く(背景を消して素材にする)作業に時間がかかりました。

単純な仕事量の辛さだけでなく、他のことでもだいぶ苦労しました。

例えば他の選手との連携。

イベントに協力してくれるのは自分と同じく勝負の世界を生きているテニス選手達。
毎日自分達の練習やトレーニングがあり、大会に出場している期間は自分の試合に集中したいし、それ以外でも心と体を休める時間や自分の時間が欲しいものです。

良い関係を維持するために強く言えなかったというよりは”選手”という立場を自分が理解している分、特に慣れていないことを無理に要求することができませんでした。

自分自身の選手活動にも大きな影響が及んでいました。

 

寝不足や体が不調のまま練習・トレーニングに向かうこともありましたし、頭が一杯で頭痛がしてきたり、練習に集中できずすぐ怒りの感情が込み上げてきたりしたのはもちろんのこと。

 

試合中は大会で勝たなければ(優勝しなければ)いけないプレッシャーの他に「負けたらきっとイベントのことを言い訳にしてしまう。だから負けられない」という気持ちも背負っていたので、

3,4月の大会を2連続で初戦敗退したときは気が狂いあらゆる一時的にあらゆる悪い感情に心が飲み込まれてしまってました。

 

試合で思うようなパフォーマンスが発揮できないと分かったこと、そしてイベント開催日が近づいてもやることがたくさん残っていたことで、

2大会出場を予定していた大会もキャンセルすることにしました。

 

「『選手活動に今年は集中する』と言っていた自分は何で今こんなことをしているんだろう・・・」

 

きっと僕がイベント準備に一生懸命になってる姿を見て疑問に思ったり呆れている人もいたと思いますが、

僕自身が一番自分自身にそのような感情を抱いていました。


そんなこんなで準備を続けていたイベントですが、最後は本当に呆気なかったです。

 

4月になって大阪での新型コロナウイルス感染者が東京を上回り、感染者数が500人,600人と増えていき、ネットやTVのニュースと睨めっこする日々になりました。

イベントは施設が使えなくなったり、メンバーである選手が個々の都合でイベントに参加できなくなる場合を除いて開催することを」決めていたので、

イベントを開催する前提での準備と万が一中止にしなければいけなくなったときの準備の両方を行わなければいけませんでした。

 

結局緊急事態宣言が発表された次の日に靱テニスセンターから電話がかかってきて、

緊急事態宣言によって施設が休館になるからイベントは行えないとのことでした。

 

 

4月に入ってすぐに費用面やチケットの売れ行き、そして自分の心の状態を理由に早々にイベント開催を中止にすることを一度考えてました。

 

それでも「イベントは最後までやる!」と再度決心して自分を鼓舞してきたのですが、

 

何も成し遂げれず、残ったのは2,3大会は出場できるほどの赤字でした。


このジョイフルテニスイベントはただただ自分の選手活動において「浪費」でした。

 

もちろんビジネスマンとしてみたら実際に大きなイベントを作ってみたという大きな経験値になったと思います。

でもこのイベントでお金を得たわけでもなく、新しいスポンサーが見つかったわけでもなく、SNSのフォロワーがたくさん増えたわけでもありません。

それどころか時間を無駄にし精神をすり減らし、お金も減り、もしかしたら選手として僕のことを応援,期待しているファンを裏切るような結果になりました。

 

本当にこのイベントから次につながるものがなさすぎて、

せめて自分がやってきたことを残したくて、ブログにこのイベントについての記事を書くことにしました。

 

しばらくは喪失感やモチベーションがなかなか上がらないのを感じていましたが、

今は失った時間を取り戻すためにも再び選手として前向きに活動することができています。

 

 


挑戦することは大きなリスクを伴うことです。

 

挑戦すれば成功と引き換えに何かを犠牲にしなければいけないこともあるし、

成果を得ることができずに終わることもあります。

これから自分が失敗したことを後出しジャンケンみたいに他の人が成功して悔しい思いをすることもあると思います。

 

でも僕が求めているものはそんな全てを受け入れて突き進むことでしかえることができないものなんです。

 

 

これからもきっと何回だって失敗します。長い間思うような結果がでない時間を過ごします。

それでも目標に向かってこれからも僕は挑戦していく道を力強く歩んでいきたいと思います。

 

 

これからも挑戦していく僕をみなさん引き続きどうか応援してください。

 

 

もし僕の活動を支援したいと思ってくださる個人の方や企業様がいらっしゃれば、

ぜひホームページの「お問い合わせ」あるいは

 tomo_vicg7676_26415@yahoo.co.jp までご連絡よろしくお願いします。

 

またオンラインサロン(ファンクラブ)の一般募集を始めたりYouTube,Tik TokなどのSNS活動も本格的に行っていくので、

そっちの方の活動のフォローもお願いします。

 

最後までこの記事を読んでくださってありがとうございます。

 

イベントに協力してくれた選手のみんな、

そしてイベントの告知,宣伝に協力してくださったテニススクールや施設の方々、

本当にありがとうございました!

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コメント: 2
  • #1

    jack (火曜日, 25 5月 2021 05:15)

    急にすみません。
    アトラクトライトという曲、聴いてみてください。失礼かもしれませんが、この曲聴くと北山選手が思い浮かびます。
    応援してます。

  • #2

    もえか (日曜日, 08 8月 2021 04:32)

    イベントが中々出来なくて残念ですが、インスタライブもっとやって欲しいです!お願いします!