毎年10月に大阪の靱テニスセンターで行われるITFJr グレードA(グランドスラムJrと同じグレード) 大阪市長杯世界スーパージュニアテニス選手権。
Tipsarevic Tennis AcademyからフランスのValentin Royerが来日して一昨年はダブルス優勝,去年はシングルスでベスト4の結果を残した大会です。
今回も僕はアカデミーのディレクターと連絡を取り2人の選手をサポートすることになりました。
1人はセルビアの16歳Hamad Medjedovic、もう1人はロシアの17歳Marat Sharipov。
それぞれ本戦第9シードと第12シードとして臨みました。
初日、夕方からコートを予約して練習の予定でしたがHamadとコーチNemanjaの飛行機が大幅に遅れてしまった挙句荷物が香港へ行ってしまって初日からトラブル発生。
とりあえず大阪で合流して靭テニスセンターの近くのホテルまで連れていきました。
世界スーパージュニアは本戦日(自分が勝ち進んでる間)は宿泊費の免除があるので日曜日からオフィシャルホテルへの移動となります。
先にお母さんと日本に到着していたMaratは難波でショッピングやらを楽しんでいました。
梅田の人の多さに驚くHamadとNemanja。
また電車に乗るときも初めての自動改札機にてこずってました。
長時間のフライトでくたくたの2人。この日は日本食を食べてホテルでゆっくり休みました。
なんでも食べることに挑戦するNemanjaと怪しいものは食べたくないHamad、対照的でした。
予選サイン日(金曜日)と予選日はラリー系とポイント系を多めに一日練習しました。
土曜日は予選1回戦の日は台風の影響で試合は行われず、
僕達はお昼過ぎに靱テニスセンターのトレーニングスペースで汗を流しました。
入念なストレッチの後バイクを漕いでフットワークのトレーニング。
僕とNemanjaは試合に出場するわけじゃないので少し負荷のあるエクササイズも行いました。
大会出場選手達に開放されたトレーニングスペース。
フィジオもあってトレーナーによる治療とかもこの部屋で受けることができます。
大会期間中動き足りないときはこのトレーニングスペースで
「この会場の誰よりも追い込んでやる」という気持ちでハードワークしてました。
おかげでいろんな選手やコーチに声かけられてTipsarevic Tennis Academyの宣伝もできました。
本戦開始
この日からプレーヤーゾーン(靭テニスセンターの下の階)に行くのに関係者の証であるパスが必要になります。
下の階には写真のようなプレーヤーズラウンジや練習コートやオフィシャルホテルまでの送迎バスを予約する受付などがあります。
ラウンジにはwifiが完備されていて、受け付けではバナナやせんべいなどのお菓子やコーラ,なっちゃんジュースお茶等のソフトドリンクをもらうことができる場所があります。
試合前には飲み物(ミネラルウォーター2本,グリーンダカラ2本)をもらうこともできます。
本戦で勝ち進んでいる間、選手とコーチはクーポンを受け取って靱テニスセンターの下の階にあるレストランで食事をすることができます!
パン,カレー,サラダ,唐揚げ&フライドポテト,焼きそば,フルーツに加えて日替わりでパスタや丼物を食べることができます。
僕はNemanjaに
「Tomo,俺の分も食べてこい!」
とクーポンを受け取って選手達と一緒に食べさせてもらうことができました。
さて、話を試合のほうに戻して
まずシングルスは
Hamad Medjedovic
本戦1回戦 7-5,6-2
2回戦 6-2,6-2
3回戦 4-6,4-6
Marat Sharipov
本戦1回戦 6-0,7-6(4)
2回戦 6-4,6-1
3回戦 2-6,3-6
Hamadは1,2回戦武器であるビッグサーブを軸に多少アップダウンがある中でもしっかりストレートで勝つことができました。
Maratは1,2回戦日本人との対決。変なミスが多く流れに乗れてない試合でしたがこっちもストレートで勝ちました。
Maratは試合中ミスをするとコーチや僕らの方を見て何かを訴えかける癖があるのですが、
「もうこっち見るな、プレーに集中してくれ」
とコーチにバッサリ言われてました。
MaratもHamadも試合後はサービスのタイミングを調整したり、Maratは体勢が高すぎると予選日の練習から言われていたのでそこを意識して練習。
3回戦は2人共にスイス人の強者が相手でしたが、
技術的に修正が必要なところや精神的にまだ未熟なところが浮き出てしまい自分のペースを掴み切ることができていませんでした。
シングルス3回戦の後はダブルス2回戦を控えていたので、よくコーチ達と話し合いをしました。
さて次はダブルスの方ですが
Hamad×Marat
1回戦 6-1,6-4
2回戦 6-4,6-4
3回戦 6-4,6-4
準決勝 6-1,5-7,6-10
シングルス負けた後の3回戦はどうなるかと思いましたが、2人のサーブ,特にMaratのサーブやボレーが絶好調でした!
3回戦を観ててNemanjaも
「MaratのサーブはJohn Isnerだ!(笑)」
「どうやって勝ったのか分からない」
と笑っていました。
実は3回戦の試合前HamadとMaratに
「もし俺たちが買ったらTomoワイン飲めよ」
と言われていて、約束通り彼らの前でワイン1本飲むことになりました。(一気飲みではないです)
相手が強い情報は知っていたので少しでも彼らが頑張れるならと承諾したのですが、
まったく、危険な賭けでした。
準決勝はまたもやスイスの強豪ペアでしたが第1セットは誰も予想をしなかった6-1で奪取。
その後もチャンスはあったとは思いますが試合が進むにつれてだんだん2人が神経質になっていき、
プレーが最後の最後で単調になってしまいました。
1週間グレードAの大会,日本という彼らにとって慣れない環境でたくさん頑張りました。
僕は4年前にこの大会に出場していましたが予選1回戦で敗退したので本戦選手のいる空間や靱テニスセンターの下の階はとても遠い異世界でした。
今回こうして彼らをサポートすることによって彼らと同じ体験ができたことを本当に彼らには感謝していますし、
彼らと同じTipsarevic Tennis Academyのチームでいることを誇りに思っています。
また彼らと久々に打ったり同じコートに立つことで「今のままじゃいけない!」って感じて良い機会にもなりました。
1ヶ月後にはセルビアでまた彼らと会うことになりますが、
それまで自分のしなければいけないことをしっかりこなしていきたいと思います!
現在名古屋で行われているITFJr G2 ジャパンオープンジュニアにHamadとMaratは引き続き出場しているので頑張って欲しいです。
今回書きたいことが多すぎて長い記事になってしまいましたが、
読んでくださってありがとうございました。
Vidimo se!